人肌恋しくなる季節だと
いつも馬鹿な私は嘯く
二人と一匹暮らしは思ったより窮屈ではなかったけれど、好き勝手にひとりの殻に閉篭もる時間は少なくなった。
徒然なるままに気持ちを吐き出していたあの頃より、私は少し物分かりが良くなって気がきくことを誇りとして、愛想が欠けている人が嫌いになった。人を嫌うということは、こんなにもパワーが必要で、時には自分を少しずつすり減らさざるを得ないことを私はこの歳になってやっと知った。
やはりこんなにも心地いいひとりでいる時間は。思ったことを思いつくままに綴れる時間は。
今の私を占めているのはあの人のことと仕事のこと。その他はきっと4%にも満たない。
あの人が好きだ。寂しい夜は一緒に寝て、朝起きてダラダラして、ご飯を食べて、出掛けて、もう一度だらだらして、また眠りにつくまでを何度描いても足りないくらい、本当はずっとあの人と一緒にいたい。
叶わない。
それはわかってる。
物分かりは悪くない。
でも夢見るくらいさせてほしい。
あの人は優しい。私の子どもっぽくて、気分屋で我儘な性格は助長される一方だ。甘やかして甘やかして甘やかされつくされてる。
いつも大事にしてくれる。満たしてくれる。
だから私は少しずつ一歩先を求めてしまう。
あの人のせいだということに今はしている。
ああ泣きそうだ。
となりのひとの香水がいい匂い。
毎日は抱かれなくなったことだし、解禁しようかな。
あの人にあいたい。